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【日経平均】

週明けの米国200兆円経済刺激策がHITするかリセッションに押されるか(3月23日週~)

執筆者:バイオ投資家ぷっちょ

 

 

 

先週は歴史的な大暴落の週でした

年初から始まった史上最高値圏での一抹の不安。そして、1末2頭に露呈してきたコロナウイルス。NYダウにもつられて、日経平均も大暴落。

 

2017年1月に就任したトランプ大統領後の上げをこの約1か月で全て帳消しにした格好。

 

TOPIXもPBR1倍水準まで売られこみ(赤丸)、2008年リーマンショック後の圏内(黄枠)になりました。

 

歴史的な数字が並ぶ中、更に史上最高額の経済刺激策が打たれる可能性が出てきました。
今回はVIX指数なども交えて、現状と今後を見てゆきたいと思います。

 

✓ 中国で起こっていることは起こっていないことに?

中国のコロナウイルス感染者数が落ち着いてきています。「診断基準」の修正によるものかもしれませんが、少々あやしいです。。

 

実際、発生源の武漢では、まだ封鎖・規制の真っ最中で、経済活動の復活きざしままだありません。
封鎖措置がとられて2か月後も、引き続き空港・鉄道が封鎖されています。一部の海外向け生産工場を除いては。

 

そして、当然のことながら、2月のPMIがガクンと落ちました。リーマンショックよりひどい数値が出ました。
この数値は少しずつ上がってくると思います。ただ、この1回の大暴落により、各所に不可逆的なイベントが起こると思っています。一旦失った時間や雇用や現金はそう簡単には取り戻せないと思っています。

 

ここでのポイントは下の3点だと思っています。

● 中国は引き続きコロナの影響を受け続けている
● 2月PMIはリーマンショック以上の打撃を受けた
● 政治的な働きも相まって、まだまだ実体経済への影響は不透明

 

✓ 欧州イタリアが突出してヤバイ

 

イタリアが、欧州の武漢の様子になっています。

欧米通じてそうですが、アジア人みたいにみんなマスクをする訳でもなく、また人とのキス含めた気軽なボディタッチも相まっているのだと、日系米国人が言っていました。

 

以前、欧州危機があり、グローバルの株価に大きな影響を及ぼしましたが、今は、武漢発のコロナショックにより、欧州危機が再燃しています。

 

欧州危機は、なんといっても国のもろさ。以前はギリシャでしたが、今回はイタリア国債の利回りが急騰しています。要は、イタリアが発行する国債価格が暴落している、ということです。

 

上のEU感染者数でも分かる通り、イタリアに次いでスペインも打撃を受けており、国債利回りが急騰しています。
EUは高いに密接に経済的にも金融的にもつながっている諸国ですので、一番の経済大国であるドイツ国債利回りも上昇基調(国債価格は下落基調)になってきました。

 

株価は、NYダウや日経平均に目がゆきがちですが、欧州諸国の株価も軒並み大暴落しています。むしろ、こちらの諸国の株価の影響の方が大きいです。

 

『出来ることはなんでもやる!』

EU経済界において、この言葉だけが、支えですね。まずは88兆円の経済対策を実施する発表をしました。

 

次の米国とともに、大々的な経済支援策を打つことになりましたが、欧米共に、アウトブレイクがさらに進む可能性があり、実体経済への打撃がさらに深刻になると、88兆円をももろともせず、下に落ちてゆく可能性すら、まだ残っていると思っています。

 

欧州のポイントは以下の3点だと思っています。

● コロナ渦中。感染拡大の一途。イタリア、スペイン以外も大リスク
● 直近半月程度の株価は30%大暴落。88兆円支援策で対抗
● 実体経済の悪化から、まだ下値余地はあると妄想

 

✓ 米国のコロナ・シェールオイルショックとVIX指数

米国も、あっさりと政策金利を使い切ってしまいました。実質ゼロ金利時代に突入しました。

3月3日に0.5%の利下げ、さらに16日週そうそうに1%利下げをしました。全く株価の上げは伴わずに、です。今のところ、大失敗でした。でも、利下げをしなかったら、更なる株価下落を招いていたことも考えると、株はおそろしい世界です(買い勢からすると、、、)。

 

利下げのみならず、先週はトランプ大統領が500億ドルの支援を発表しています。
例えば学生ローンの利息免除や石油大規模購入などです。今後8週間が重要、として、州や自治体の新型コロナ対策支援に追加資金を投入できるようにしています。

 

こちらに加えて、3月23日週早々には2兆ドル規模の経済刺激策を打つ、としています。
刺激策というよりかは、もはや支援ですね。支援→刺激。200兆円規模は、過去最大だと思いますし、今年11月3日の大統領選に向けても、悔い留める意志が見て取れます。

 

それも、急拡大するコロナウイルス患者数にあります。

More than 30,000 cases of the coronavirus have now been identified in the United States, a figure that continues to grow rapidly as testing expands and the virus spreads through the country. As of Sunday evening, at least 32,722 people across every state, plus Washington, D.C., and three U.S. territories, have tested positive for the virus, according to a New York Times database, and at least 416 patients with the virus have died.

 

今ではさらに拡大していますが、この時点では、下の3州に外出制限令が出されています。
◆ ニューヨーク州
◆ カリフォルニア州
◆ イリノイ州

 

上でも出てきましたが、米国と原油価格は切っても離すことが出来ない関係にあります。
それは、米国で生産量を圧倒的に高めてきたシェールオイルがあるからです。

 

こちらは、コロナショック後の原油価格暴落チャートです。背景には、サウジとロシアとの攻防がありました。

結果サウジは、世界的なニーズ減少にも関わらず、原油の減産をしない、という発表をしました。今後、供給過多になると市場が捉え、価格が1日で30%も下落する流れとなっています。

 

最も重要なのは、採算ラインです。
米国が力を入れている、シェールオイルの採算ラインは1バレル当た50ドル程度とされています。

 

これまでは50ドル/バレルより上で原油価格が推移していたため、米国のシェールオイル業界的にはプラスに働いていました。
ところが、一気に30ドル/バレル台まで突入したため、トランプ大統領も必死に補填をする、と言い出したのです。

 

その背景には、ジャンク債市場の利回り暴騰も上げられます。
シェールオイル企業はリスクが高い業界として知られています。それでも事業展開をするための資金が必要で、ジャンク債と呼ばれる社債を発行して、市場から資金調達をしていました。

 

このジャンク債がやばい!となると、社債を放り投げ、結果的に価格が下がります。逆にジャンク債の利回りが高くなりました。

 

これまで、

・ 米国でも拡大するコロナ感染者数と経済後退懸念
・ 中でも原油価格暴落による、シェールオイル業界の打撃
・ 更には、外出制限令による経済活動の急速鈍化

などについて、語ってきました。

 

ちなみに、米国は原油依存からの脱却をかかげ、貿易赤字縮小にも大きな影響を与えていたため、このシェールオイル業界の打撃は、国としての打撃とも近しともよめます。

 

 

これまでは株式投資におけるファンダメンタルズについて語ってきましたが、これからテクニカル分析をお話したいと思います。

VIX指数とS&P500との関連です。

米国VIX指数は、もはやリーマンショック級の高値を付けています。

 

VIX指数はボラティリティインデックスと呼ばれ、ボラ(価格変動幅)の激しさを表す指標です。
平常時は20以下に落ち着く傾向にあります。ただ、ショック級の何かが発生すると、一気に100近くまで跳ね上がります。リーマンショックが良い例でした。

 

ここで、S&P500とそのVIX指数を見たいと思います。93年からです。

 

2008年と2010年の間に赤枠を設けました。
ここが、リーマンショック時のVIX指数の最高値でした。80近くまで上がりました。現在は66(左橙目盛り)で、まだ上限がありそうな気がしています。

 

さらに、2009年くらいに縦に引いた赤点線。
リーマンショック時のS&P500最安値時期を示しています。上のVIX指数MAX時より時間を経過して、S&P500は底値を付けました。

 

要は、VIXがMAXになり市場心理が不安いっぱいになってから、底値を付けるまでは、もうしばらくの時間がかかった、ということです。リーマンショックの時は。

実体経済への影響が明るみになってくるとともに、更に市場心理が冷え込んだ結果になりました。

今回も、まだ咲がみえていないコロナウイルスの心理不安から一旦VIX指数は66を付けました。
ただ、上の中国や欧州、更には米国経済への打撃が明るみになるにつれて、もしかすると一層の市場心理の冷え込みが待っているかもしれません。
これは、誰にも分かりませんが、それも一つのシナリオとして考えておく必要があると思っています。

 

S&P500のMACDもRSIも、ずいぶんと低い位置に落とされました。
リーマンショックの時にはさらに低い位置に居ましたので、下限に近付きつつあるものの、まだ下限ではない可能性もある、といった感じでしょうか。

 

米国は、今後200兆円の経済支援策を打ち出してくるので、その爆上げを見据えつつも、冷静に下限リスクも見ておく方が良いと思う、というのが今の考えですかね。
特に、実体経済が明るみになると、更に心理が冷える可能性があることを、過去が教えてくれている気もしています。

 

✓ 日本の緊急事態宣言準備、完。

この週末に、聖火がやってきた、というニュースがありました。

 

今後の、日本株にとって一番の恐れは、このようなシナリオだと思います。オリンピック中止は既に織り込みつつあるので、やはりその先のコロナ関連の更なるショックだと思います。

● オリンピックが延期・中止の判断される
● PCR検査数増加に伴う感染者数増加
● 安倍首相が、非常事態宣言を発令する
● 日本の大都市ロックアップ(海外流行地との断絶。国内も多少制限)
● 企業の経済活動の更なる鈍化

 

既に安倍首相は先週、いつでも非常事態宣言が発令できるよう、特措法を成立させています。一種の布石ですね。

 

世界陸連会長もオリンピックの開催判断が早ければ数日のうちにされる、とも伝えられています。
少なくとも数週間以内には、まずはオリンピックの開催行方が分かる時期がくると思います。

 

既に、株式市場は中止もしくは延期を織り込みつつあるので、その後のコロナウイルスの影響が実体経済にどの程度まで及んでいるのかを、しっかりと見届ける必要があります。

 

✓ 【最後に】相場で重要なこと。
相場から学ぶこと。今の時期にすべきことは、これだと思っています。お金を稼ぐことは2の次、3の次でいい

これ、とても重要だと思います。

 

以前、こちらの記事にこのような記載をしました。
日銀が1日にETF2000億円もの買い入れを行った日です。明らかに板のバランスを見ていれば「おかしい!」と気づけたはずなので、すかさずロングでお金を稼ぐことはむずかしくはなかったかと思います。

 

でも、ここでは相場で生き残るために、最重要なことを、再掲したいと思います。

学び、です。

 

相場に入る投資初心者はその大半が、何らかの理由で数年も立たずに市場から出てゆきます。
そうするうちに、また新たな投資家が、市場に参入してきます。

 

要は、期間だけの観点なら容易に長老になれる、ということです。

ただ単に時間が過ぎればよい、というのではなく、その相場と向き合った時間と同じだけ、相場から学ぶ、ということが出来れば、おそらくそれを経ていない人よりかは、立場的に優位なトレードが出来ると、考えています。

 

その学びの機会が、まさにこの乱高下の激しい相場にもある、ということですね(分かりきったことですね笑)。

 

兎にも角にも、

● 生き残ること、
● 無茶をしないこと、
● 将来的な生活も含めて資産を蓄えておく前提で、
● 余力で投資をすること、
● レバはかけなこと。

 

全ては、相場から学んでゆきましょう^^

 

youtube動画でも語っています。お楽しみくださいませ。

 

>>>新着記事はこちらより。

 

分類:株式投資/日米政策

① 米国時間17-18日のFOMC会合

② トランプ政権の更なる経済支援策
③ 安倍首相の『緊急事態宣言』準備完了 など

 

 

 

バイオ投資家ぷっちょ/吉日

 






 

 
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